カブスの左腕Justin Steeleが左肘の手術を受けることになり、今年残りのシーズンを全休する見込みであると、監督のCraig Counsellが記者団に明かしました。Steeleは直近のRangers戦登板後に肘の腱炎で負傷者リスト入りしており、その後のMRIに続いてセカンドオピニオンを受けていました。トミー・ジョン手術が必要なのか、あるいはより復帰の早い「インターナルブレース」手術となるのかはまだ確定していませんが、いずれにしても今年中の再登板は不可能となります。インターナルブレースならおよそ12か月、トミー・ジョンであれば18か月程度の離脱が見込まれ、後者の場合は2026年の大半にも影響を及ぼすことになります。
これはカブスおよびMLBファンにとって衝撃的なニュースです。当初はSteele本人も「最短のIL期間で戻れる」と語っており、昨年9月に2週間離脱した際の軽い肘の炎症と同じ類のものと思われていましたからね。
今年ポストシーズンを本気で狙うカブスは、残りのシーズン最も才能ある投手の一人を失うことになります。Steeleは実質的に4シームとスライダーの2球種しかありませんが、ここ3年間先発として成功を収めてきました。この期間の防御率3.10はJustin VerlanderとSandy Alcantaraの間に位置し、MLB全体で9位。FIPは3.14でトップ10入り、SIERAは3.46で19位と、名立たるエースたちと並ぶ成績を残していました。
試合 | 投球回 | 勝敗 | 奪三振 | 防御率 | WHIP | |
2022 | 24 | 119.0 | 4-7 | 126 | 3.18 | 1.35 |
2023 | 30 | 173.1 | 16-5 | 176 | 3.06 | 1.17 |
2024 | 24 | 134.2 | 5-5 | 135 | 3.07 | 1.10 |
今季はそこまでのパフォーマンスは見せられず、3先発で防御率6.89、奪三振率19.4%と苦戦。とはいえ、直近のRangers戦では7回無失点8奪三振と復調の兆しを見せていました。ただし球速は開幕から落ちていて、そのRangers戦でも平均90マイルと、昨年の92マイルを大きく下回っていた点は懸念材料でした。
Steele離脱により、カブスは先発陣の健康維持がより一層重要となります。現状では我らが今永昇太投手に、エースとしての期待がかかる形になりました。他にはここまで3先発で防御率1.59を記録しているMatthew Boydや、昨年28先発で防御率3.27を残したJameson Taillonなど、実力はありつつも怪我や安定感に課題のあるベテランたちです。
これに続くローテ候補には、昨日のDodgers戦で好投した若手Ben Brown、ロングリリーフとして好投しているColin Rea、現在IL入り中で腹斜筋のリハビリを進めているJavier Assadなどが挙げられますね。

マイナーにも一定の層はあるものの、トリプルAのJordan Wicksは最近の登板を回避。Brandon Birdsellは肩の故障で復帰時期は未定。トッププロスペクトのCade Hortonは今季2先発で防御率1.23、奪三振率38.7%と絶好調ですが、まだ5回まで投げきれていません。Chris Flexenもマイナー契約で待機中です。
とりあえず現状の投手層でしばらくはやりくりできそうですが、さらなる故障者が出れば厳しくなることは確実です。そういうわけでトレードデッドラインまでに先発投手の補強が行われる可能性は十分にあります。MarlinsのSandy Alcantaraが最大の注目株とされる一方、Tyler Anderson、Chris Bassitt、Michael Lorenzenらも契約最終年でトレード候補となり得ます。カブスが夏場までに競争力を維持できるかが、動向のカギとなりそうです。そして我々日本人にとっては今後の今永投手のより一層の活躍にも期待がかかりますね。
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