チームや選手の成績は、すべて現地5月31日時点のものです。
ドジャースの現状
現地5月31日時点で38勝21敗で地区首位と、例年と同じく買い手確定どころか、すでに10月のロースターをどう組み立てていくかという段階に入っています。恐るべき強さです。
特にチーム全体のwRC+は123でMLB1位、fWARも14.5でMLB1位と、野手に関しては文句のつけようがありません。スターが揃い、若手も活躍し、淡々と得点を積み重ねています。
もちろんTeoscarとKikeのダブルヘルナンデスをはじめ怪我人も出てはいますが、層の厚さでカバーできています。野手陣に関しては、プロスペクトを放出してまでこれ以上補強する必要はないんじゃないかなというのが個人的な感想です。強いて言えば二塁手は補強ポイントかもしれませんが、沢山の選手で回すことができますし、優先事項じゃないのかなと。
一方で投手陣についてはどうでしょうか。先発ローテーションは山本由伸、大谷翔平の2枚看板を筆頭に、佐々木朗希、Justin Wrobleski、Emmet Sheehan。そして故障者リストに入っているTyler GlasnowやBlake Snellが戻ってくれば大きな戦力になるでしょう。さらにBlue Jaysから獲得したEric Lauerや、マイナーで結果を残しているRiver Ryanなども計算できる投手です。
現時点での先発防御率は3.05でMLB2位、xFIPは3.55でMLB2位、fWARは6.6でMLB2位と明確に強みのポジションです。野手と同様に、これ以上の補強は贅沢だなという感じですが、もしGlasnowやSnellの復帰が遅れるのであれば、中堅クラスの先発投手を獲りに行くのはアリかもしれません。
一部ではTarik Skubalの獲得があるのではないか、とも囁かれていますが、Skubal獲得のためにはとんでもない対価が必要になります。10月のためだけにSkubalを獲るのは過剰投資になる気がするんですよね。というわけでSkubal含めて、エース級の先発投手は補強しないんじゃないかなと思ってます。これ以上の怪我人が出ない限りは、ですけどね。
そして最も補強ポイントとして可能性がありそうなのが、右の勝ちパターンのリリーフでしょうか。現時点での救援防御率は3.12でMLB4位、xFIPは3.74でMLB5位、fWARは2.9でMLB2位ですから、正直ここも強みのポジションではあります(全部強いなこのチーム)。
一方で左右で成績を分けてみると、実は左腕リリーフの成績の方がずっと良いんですよね。以下が左右で分けた時の救援陣の成績の比較です。括弧内の数字はMLB全体の順位です。
| 防御率 | xFIP | K% | BB% | fWAR | |
| 左腕リリーフ | 2.37 (3) | 3.48 (3) | 28.4% (2) | 7.5% (5) | 1.7 (1) |
| 右腕リリーフ | 3.64 (9) | 3.92 (10) | 23.8% (7) | 10.2% (19) | 1.2 (10) |
左腕はTanner ScottとAlex Vesiaが好調で、Jack Dreyerも故障者リストから復帰してきました。三振は多く四球は少なく、fWARは堂々のMLB1位と明確な強みになっていますね。
一方で、右腕は全体的な成績は上位ではあるものの左腕ほどではありません。Kyle HurtやWill Klein、Blake Treinenなどチームに貢献している投手は何人もいますが、Edwin DiazやBrock Stewart、Brusder Graterolなど故障離脱者も多い状況です。
もちろんDiazが怪我から復帰すればそれだけで十分強力なのですが、それに加えて右の終盤8回、9回を安心して任せられるハイレバレッジリリーフをもう1人追加できれば、さらに勝ち星を拾っていけるのではないかと思うのです。奪三振力が高く、四球で自滅しない右腕救援が理想ですが…候補となる投手は一体だれがいるでしょうか?早速見ていきましょう!
トレード補強候補のリリーフ6選!
Pete Fairbanks|Marlins
1年$13MでMarlinsに加入しました。防御率7.53と見栄えは悪いですが、xERA 3.30、K% 33.3%、平均球速97.1mphと、表面上の成績よりも内容は良いんですよね。
ただBB% 11.1%と制球力に課題があり、フライ率60.6%とフライを打たれすぎているのは気になります。ただ流石にキャリア平均と比べてゴロが少なすぎるので、これから徐々に収束していくんじゃないかなと期待はしてます。
Marlinsが売り手に回るなら極めて自然な放出候補ですし、9回固定ではなく、相手打線の右の中軸に合わせて7回・8回に投入することもできます。Rays時代は守護神としての経験も豊富ですから、フロントの期待にきっと応えてくれることでしょう。
Ryan Helsley|Orioles
純粋な投手の質なら、Fairbanks以上かもしれません。防御率2.53、xERA 2.85、K% 32.6%、平均球速98.9mphと、ポストシーズン向きの典型的なパワーピッチャーです。
契約は2年$28Mですが、2027年は選手オプションのため、実質的には短期契約に近いです。Oriolesが7月に売り手へ傾けば、Helsleyは市場でかなり人気を集めるはずです。
ただしFairbanksと同様にBB% 15.2%とかなりの割合で四球を出していて、これは大きな懸念点ですね。Dodgersが求めるのは「1点差の重要な場面で出せる投手」ですから、球質や奪三振力が優秀でも、制球力や年俸面まで踏まえると、Fairbanksより優先順位は下がるかもしれませんね。
Enyel De Los Santos|Astros
今回の内容において、最も評価を上げるべき選手かもしれません。知名度はFairbanksやHelsleyほど高くありませんが、防御率3.47、xERA 2.56、K% 23.2%、BB% 5.3%。奪三振力は平均程度ですが四球が少なく、内容も抜群に良いです。さらに1年$1.6Mとかなり安く、今季終了後にFAになります。
Astrosはまだ完全な売り手確定球団ではありませんが、現時点では27勝34敗。7月に浮上できなければ、短期契約のリリーフは動かしやすい駒になるでしょう。
「安くて中身の良い右腕」を狙うなら、De Los Santosはかなり合理的です。特にDodgersのように贅沢税を多く支払っている球団であれば、獲得選手の年俸は安い方が良いに決まっていますからね。
Bryan Abreu|Astros
De Los Santosと同様にAstrosが売り手に回るのであれば、間違いなく放出候補に挙げられる投手の1人です。2022年から25年までの4年間で275試合に登板し、95ホールド15セーブ、防御率2.30、FIP 2.79を記録したMLBを代表する右腕リリーフです。
しかし今年はキャリア最悪の投球内容となっており、防御率6.87、FIP 7.49、BB%に至っては23.9%と信じられないほど制球力を乱しています。どこか怪我してないか心配になるレベルなのですが、5月に入ってからは少し改善傾向にあるため、今後の結果次第では十分に市場から関心を集める選手の1人になるでしょう。
今年が調停最終年で、年俸は$5.85Mと比較的低コストで獲得できることも魅力的です。
Anthony Bender|Marlins
Fairbanksと同じくMarlins所属で、ERA 3.42、xERA 2.90、K% 26.3%、平均球速96.7mph。Fairbanksほどの奪三振力はありませんが、BB%も9.5%と平均よりわずかに多いくらいで、内容は安定しています。
ただ被BABIPが昨年.213、今年.207とかなり運に恵まれている側面もあるので、そこをどう判断するかが鍵になりそうです。今後の投球内容は注視していきたいですね。
今季年俸は$2.81Mと非常に低コストで、2027年オフにFAとなります。Fairbanks同様、Marlinsがトレード放出する選手として注目を集める存在になりそうです。
Garrett Whitlock|Red Sox
健康ならかなり理想的な投手です。ERA 3.20、xFIP 2.74、K% 30.9%、BB% 7.4%。単なる1イニングリリーフではなく、複数イニングも見込める点が非常に高評価ですね。
しかし先日、左膝の炎症により故障者リスト入りしてしまいました。MRI検査では構造的な損傷はなく、痛み止めの注射を受けたとのことですが、獲得前の身体検査は必須でしょう。
Red Soxが売り手に回るなら非常に魅力的な案件ですが、2027年に$8.25M、2028年に$10.5Mの球団オプションがそれぞれ付いているため、単純なレンタル選手より高くなる可能性があります。魅力的な投手ですが、契約面と健康面から他の投手と比べると獲得可能性は下がるかもしれません。
一応可能性はあるリリーフたち
前述の6人以外にも可能性がある投手は何人かいます。例えばRoyalsのLucas Ercegは防御率6.33と見栄えは良くないですが、FIP 3.83といくらか改善の余地は感じます。しかしまだ年俸調停前で保有年数も長いため、市場には出ないかもしれません。
また元Dodgersの守護神Kenley Jansenの復帰という可能性もなくはないかもしれませんね。ただ骨盤の炎症で故障者リストに入ってしまいましたし、今季年俸も$11Mと安くなく、防御率4.80、FIP 5.81と内容面に不安は残りますね。
最後にRockiesのAntonio Senzatelaにも触れざるを得ません。今季リリーフに配置転換して途轍もない進化を遂げました。防御率1.36、球速97.2mphと最高の結果を残していますし、BB%は7.3%と制球も安定しています。ただ三振が特段多いわけではなく、被BABIP.198と運に恵まれている側面をどう考えるかですね。また同地区同士のトレードということでより多くの対価が必要になるかもしれません。
まとめ
現時点でDodgersがやるべき補強は、大物を派手に取りに行くことではなく、ポストシーズンの脆い部分を正確に塞ぐことです。まあ塞ぐほど大きな穴はなく、水が染み出す程度の穴なんですけどね。
FairbanksやHelsleyのような奪三振力の高い投手。コストを抑えられるDe Los SantosやBender、状態が気になるけど才能はピカイチなAbreuとWhitlock。それぞれ魅力的な選手たちをずらりとご紹介しました。
まあごちゃごちゃ言ってきましたが、正直Diazが帰ってくれば9回はバチっと収まりますし、KleinやHurtだって結果を残しています。補強が絶対必要かと言われるとそうではないですが、10月に向けて戦力を盤石にするためにも、きっと何かしらの動きはあるでしょう。
というわけで今回は、Dodgersがリリーフを補強するなら誰が候補になりそうかを紹介してまいりました!皆さんはどう思いますか?ぜひコメントで教えてください!


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