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ガーディアンズ、捕手P.ベイリーをトレードで獲得!
GuardiansがGiantsから捕手のPatrick Baileyを獲得し、対価として左腕プロスペクトのMatt Wilkinsonと、2026年ドラフト29位の指名権を放出しました。この指名権は戦力均衡ラウンドAの最初の指名順位に相当するもので、トレード可能な指名権の中では最上位のものです。GiantsはBaileyの枠を埋めるため、Triple-Aから捕手のLogan Porterを昇格させました。一方のGuardiansはBo Naylorをオプションでマイナーに降格させています。
Baileyはここ2年連続でFielding Bible AwardsとNL Gold Glove Awardsを受賞しており、守備型捕手としての評価をすでに固めています。今回のトレードでGuardiansの捕手陣はBaileyとAustin Hedgesという組み合わせとなるため、チームは打撃よりも守備を重視する方針をとっていそうですね。本来GuardiansはNaylorに長打力も期待していましたがルーキーイヤー以降は伸び悩み、一昨年の開幕から通算で打率.192、OPS.617にとどまっていました。
ただ、Baileyの打撃も決して優れているわけではありません。通算1342打席で打率.224、OPS.611と物足りない水準で、今季もここまで打率.146、OPS.396と低迷していました。そのためGiantsはBaileyの出場機会を減らしていたのです。当初はルール5ドラフト指名のDaniel Susacが結果を出しており、Susacが10日間の故障者リストに入った後も、Triple-AからJesus Rodriguezが昇格したことで、Baileyの立場は不透明になっていました。
今後Giantsは、Rodriguezと復帰後のSusacを中心に捕手陣を組むと見られます。今回の動きは昨年6月のRafael Deversの大型トレードほどの衝撃ではないですが、編成本部長のBuster Poseyがシーズン序盤から再び積極策に出たことは確かです。構想から外れつつあったとはいえ、Baileyをこの時期に手放した点は意外ですよね。
その背景にあるのが、Giantsの15勝24敗というスタートの出遅れです。チームは現在Angels、Metsと並んでMLB最少の勝利数に沈んでおり、得点力不足の解消が急務となっています。もちろんBaileyの不振だけが原因ではなく、Devers、Willy Adames、Matt Chapman、そして故障者リスト入りしているHarrison Baderらの不振の方が影響は大きいでしょう。それでも得点力を上げる可能性を探っているのは明らかで、SusacとRodriguezに道を開く判断もその一環といえます。
トレード期限まではまだ時間がありますが、今回の動きはGiantsが2026年以降を意識し始めたサインにも見えます。Dodgersが地区をリードし、Padresも好スタートを切る中、Giantsが巻き返せたとしても現実的な上限はワイルドカード争いまでです。苦戦が続けば、期限前にさらなる売却に動く可能性もあるでしょう。
Giants側から見れば、余剰になりつつあった捕手を先発候補の左腕と高順位の指名権に変えられたのは悪くない結果です。今回獲得したWilkinsonはGuardiansが2023年ドラフト10巡目で指名した投手で、Baseball AmericaとMLB Pipelineの球団トップ30には入っていません。それでも今季はDouble-Aで28回1/3を投げ、防御率1.59、奪三振率33.6%、与四球率8.4%と好成績を残しています。
一方のGuardians側から見ると、Wilkinsonより優先度の高い投手プロスペクトは複数いるため、左腕を放出する余地はありました。一方で、自前育成に強く依存してきた低予算球団がドラフト指名権を差し出した点は注目に値します。しかもBaileyの加入は、Guardiansにとって最大の課題である攻撃力強化に直結する動きではありません。打線は昨年の低迷から改善しつつあるものの、Jose RamirezとSteven Kwanがスロースタートとなっている中で、より実績のある打者を補強すると見るのが自然でしたからね。
それでもBaileyは今オフまで年俸調停資格を得ず、Guardiansは2029年シーズンまで保有することができます。長期保有が可能な守備型捕手を確保したことで、毎年Hedgesと1年$4MMの契約を結ぶ流れが終わる可能性も出てきました。また捕手プロスペクトのCooper Ingleは今年中のMLBデビューが見込まれていることから、GuardiansはNaylorとHedgesの体制から、BaileyとIngleを中心とする新たな捕手コンビへ移行しようとしているのかもしれませんね。

J.ホリデイが三塁手としてリハビリ出場するらしい!
Oriolesの内野手Jackson Hollidayが、有鉤骨骨折からの復帰に向けて、明日Double-Aで三塁手として先発出場する見込みだそうです。プロ入り後に三塁を守るのはこれで3度目で、MLBではこれまで主に二塁手として起用されてきました。監督のCraig Albernazは「彼と話し合い、本人の考えを確認したが、前向きだった。我々のロースターを見れば分かる通り、必要なのは多様性だと思う」と語っています。
Hollidayは春先に有鉤骨を痛めた選手の一人で、同じ時期にはFrancisco LindorやCorbin Carrollも同様の負傷に見舞われていました。LindorとCarrollは開幕に間に合った一方、Hollidayは手術した手の痛みによってリハビリが何度も中断されている状況なんですよね。マイナーでの実戦から2週間離れていましたが、ようやくDouble-Aのラインナップに戻ってきました。
Hollidayが三塁を守るのは実に3年ぶりです。2023年にHigh-AとDouble-Aで1試合ずつ守っただけで、MLBでは二塁で188試合、遊撃で7試合に先発してきました。ただ守備指標は厳しく、昨年は二塁手としてDRS-10、OAA-8を記録し、OAAではリーグ下位5%に沈んでいます。遊撃でも限られた機会ながらDRS-2となっており、守備面で決して評価が高い選手ではないんですよね。
そんな中でOriolesの内野は、Holliday以外にも問題を抱えています。三塁手のJordan Westburgは、スプリングトレーニング中に部分的なUCL断裂と診断されて以降、まだ試合に出ていません。最近は肘の痛みで野球活動を停止しており、来週月曜日に再検査を受ける予定とのことです。
Holliday不在の間、二塁ではJeremiah Jacksonが出場機会を得ています。Jacksonは4月終了時点でOPS.768を記録し、満塁本塁打も放つなど好スタートを切りました。5月はここまで23打数3安打と苦しんでいるものの、レギュラーとして一定の働きを見せており、二塁守備でもDRS+4を記録しています。
一方で、Westburgの代役は思うように機能していません。Coby Mayoは33試合で打率.163、三振率は29.9%と低迷しており、100打席以上の打者では7番目に低いwRC+42にとどまっています。守備面でも三塁でDRS-3、MLB通算では三塁で出場した42試合でDRS-7と苦戦している状況です。Weston WilsonやBlaze Alexanderも三塁を守っていますが、打撃面の上積みは十分とは言えません。
そのためHollidayが三塁に対応できれば、OriolesはJacksonを二塁で起用し続けることができるんですよね。ちなみにJacksonにも三塁の経験はありますが、球団としては守備力を二塁の方で活かしたい考えなのでしょう。Holliday復帰後の起用法はまだ流動的ですが、少なくとも三塁を守れるようになれば、ラインナップの柔軟性が大きく広がることは間違いありませんね。

B.ミラーが間もなく復帰!L.カスティーヨの起用は?
Marinersの先発Bryce Millerが、現地水曜日のAstros戦で今季初登板に臨む見込みだそうです。Millerはスプリングトレーニング中に腹斜筋を痛めており、開幕を故障者リストで迎えていました。Seattle TimesのRyan Divishによると、Marinersは当面6人ローテーションを採用し、その後はMillerとLuis Castilloを組ませるピギーバック方式へ移行する可能性もあるとのことです。
Millerは2年続けて故障に苦しんでいます。昨年は5月中旬に肘の炎症で故障者リスト入りし、3週間足らずで復帰したものの、2試合に先発した後に再び離脱したんですよね。それでも8月に戻ってきてからは健康を維持しており、ポストシーズンでも登板しました。
しかし今年はスプリングトレーニングでわずか1試合投げただけで腹斜筋を痛めてしまいました。その離脱で先発機会を得たのがEmerson Hancockです。かつて有望株とされたHancockは、ここ数年ローテーション入りのチャンスを与えられてきましたが、過去3年間はいずれも防御率4.50以上で、定着には至っていませんでした。
しかし今季は大きな転機になっています。序盤戦では大きくブレイクし、昨日のWhite Sox戦前の時点で防御率2.59、奪三振数も1イニング1個を超えていました。そのWhite Sox戦では6回5失点と打たれたものの、今季3勝目を手にしています。
Millerの復帰が近づくにつれ、HancockやCastilloを含めたローテーション整理は避けられない状況でした。ただMarinersは、好投しているHancockや不振のCastilloを外すのではなく、少なくとも当面は全員を残す判断をした形ですね。またチームは現地5月21日までオフ日がなく、6人ローテーションで先発陣に追加の休養を与える狙いもあるようです。
成績だけを見れば、Castilloがローテーションから外れても何ら不思議ではありません。今季初登板のYankees戦では6回無失点と好投したものの、その後の6試合では計24失点と苦しんでいます。平均打球速度は下位4パーセンタイル、ハードヒット率も下位7パーセンタイルに沈んでおり、キャリアの壁に差しかかっている可能性もありそうです。
それでもMarinersには、Castilloを簡単に見切れない事情があります。来季もまだ$22.75MMの契約が残り、一定条件を満たせば2028年も$25MMの契約が発生しますから、球団としては価値を取り戻してほしいんですよね。そんな中でのピギーバック運用は、Millerの負担を抑えながらCastilloを立て直す現実的な手段になるかもしれません。

ブレーブスの名将、B.コックスが逝去
長年Bravesを率いた名将Bobby Coxが84歳で亡くなりました。CoxはBravesを1995年のWorld Series制覇へ導いた人物で、監督通算2504勝はMLB史上4位の数字です。
監督になる前、Coxは12年間選手としてプレーしました。Dodgers、Cubs、Yankees、Braves傘下を渡り歩き、1968年から69年にはYankeesで通算220試合に出場しています。1971年にはYankees傘下A級で4試合に出場しながら監督も兼任し、その後マイナーで6年間指揮を執りました。1977年にはYankeesの一塁コーチとしてWorld Series制覇に貢献し、初めてチャンピオンリングを手にしました。
その後BravesがCoxをMLB監督として招聘しましたが、1978年から81年までの最初の4年間では勝ち越し1回にとどまりました。1981年シーズン後に解任されると、CoxはBlue Jaysの監督に就任。まだBlue Jaysは新興球団でしたが、1985年にはAL East制覇を達成。AL優勝にはあと一歩届かなかったものの、その後監督としてではなくGMとしてBravesへ復帰しました。
GMとして過ごした5年間でBravesは一度も勝ち越しがありませんでしたが、Coxが率いるフロント陣は後の黄金期を支える選手たちをドラフトやトレードで次々と獲得したのです。1990年のシーズン途中にCoxは再び監督に就任し、戦力が整い始めていたBravesは、その年NL East最下位だったにもかかわらず、翌91年と92年の2年連続でリーグ優勝を果たしました。
ここからBravesの快進撃が始まります。1991年からの15シーズンでなんと14回のNL East制覇を達成。このうち5回でリーグ優勝を達成し、唯一頂点となったのが1995年です。Guardiansを4勝2敗で下し、World Series制覇を成し遂げたのです。
2006年にNL East連覇は途切れましたが、それでも最後の5シーズンでBravesは3度勝ち越し、2010年にはワイルドカードでポストシーズン進出を果たしています。Coxはシーズン前から2010年限りでの退任を表明していましたが、その後も長年、公式・非公式のアドバイザーとしてBravesに関わり続けていました。
またCoxは、今後破られないかもしれない記録も残しました。監督史上最多となる通算162回の退場処分です。激情型で、自軍の選手を守るためなら審判にも立ち向かう姿勢は、選手たちから深く愛される理由でもありました。Bravesの長期黄金時代を支えたのは、優れた才能だけではなく、Coxが築いたクラブハウスの結束力も大きな土台となっていたのです。
今週初めには長年のBravesオーナーTed Turnerも亡くなりました。2人が第一線を退いた後も、その土台は近年のBravesの強さへとつながり、今年再びポストシーズンの舞台へと邁進しています。

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Blue JaysがAddison Bargerを10日間の故障者リストから復帰させ、Yohendrick PinangoをTriple-Aへ降格させました。Bargerは両足首の負傷で約5週間離脱し、開幕直後も23打席で1安打と苦しんでいました。昨季はポストシーズンでも存在感を示しましたが、現在は岡本和真が三塁の定位置をつかんでいるため、当面は主に右翼での起用が見込まれます。一方のPinangoは短期間ながら27打席で打率.423を記録し、再昇格候補として評価を高めています。他の負傷者の状況も見ておくと、Alejandro Kirkは親指の手術を経て送球とスイングを再開し、Nathan Lukesも走塁練習を始めています。投手ではShane BieberがライブBPを予定しており、Yimi Garciaもリハビリ登板を開始しました。ただJose Berriosは右肘のMRIで炎症と過去の疲労骨折部分の変化が確認され、Dr. Keith Meisterの診察を受ける予定だそうで、復帰時期は不透明な状況です。Max Scherzerは左足首炎症と右前腕腱炎で故障者リスト入り中ですが、順調にいけば5月下旬復帰の可能性があるそうです。

Giantsの先発Logan Webbが右膝の滑液包炎で故障者リストに登録され、代わりにTrevor McDonaldが再昇格しました。幸い最短での復帰が見込まれているようです。過去4年連続で32先発以上、3年連続でNL最多投球回を記録してきた耐久力抜群の投手ですが、2021年以来の故障者リスト入りとなりました。今季は8先発で防御率5.06、奪三振率20.2%、与四球率7.2%と低調ですが、ゴロ率は58.5%と高水準維持し、xFIPとSIERAも3.50前後にとどまっているため、内容は結果ほど悪くありません。一方昇格したMcDonaldは今季Padres戦で登板して7回1失点8奪三振と好投を見せていました。スプリングトレーニングでは防御率6.94と苦しんだものの、今後は先発ローテーションの穴を埋めつつ、メジャー定着をアピールする大きなチャンスとなりそうです。

Twinsの先発Taj Bradleyが右胸筋の炎症で15日間の故障者リストに登録され、代わってTravis AdamsがTriple-Aから昇格しました。本来は明日のGuardians戦で先発予定でしたが、球団は別の先発投手の昇格かブルペンデーで対応する見込みです。今季のBradleyは47回を投げて防御率2.87、奪三振率26.1%、与四球率8.5%と素晴らしい成績を記録しています。Twinsの先発陣ではすでにMick AbelとPablo Lopezも故障者リスト入りしており、特にLopezは2月の手術で今季絶望という状況です。現地月曜日が休養日ですが、その後は現地5月21日までオフがないため、Twinsは少なくともBradleyの先発枠をもう一度埋める必要があります。

Oriolesの先発Cade Povichが左肘の炎症で15日間の故障者リストに登録され、代わりにTrey GibsonがTriple-Aから昇格しました。Povichの代役としては、病気から回復して現地月曜日に復帰可能となるTrevor Rogersが有力視されています。監督のCraig Albernazによると、Povichの違和感は左肘外側、三頭筋に近い部位にあり、MRI検査を受けたうえで、回復を早めるためにコルチゾン注射を受ける可能性もあるそうです。前回Marlins戦では3回58球で降板しており、今回の離脱はある程度予想されていたみたいですね。今季は先発3試合を含む4登板で19回1/3を投げ、防御率5.12、奪三振率14.6%、与四球率8.5%と苦戦。直近7回で8失点しており、肘の不調も影響していたと見られます。



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