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ドジャース、外野手A.トーマスをトレードで獲得!
DodgersがDiamondbacksから外野手Alek Thomasをトレードで獲得し、対価として外野手Jose Requenaを放出しています。ThomasはまずTriple-Aへオプション降格される見込みで、Dodgersは40人枠を空けるため昨日外野手のMichael SianiをDFAしていました。
Diamondbacksは先週、外野のトッププロスペクトRyan Waldschmidtを昇格させる際にThomasをDFAしていました。Thomasは中堅守備の評価が高く、マイナー時代は各階級で安定して打撃成績を残してきました。しかしMLBではその打力を再現できず、4年以上にわたって平均を下回る打者にとどまっているんですよね。
最大の課題は、打席での積極性が悪い方向に出ている点です。今季のThomasは全体のスイング率とボール球のチェイス率の両方でMLB上位15位以内に入っており、特に変化球への対応に苦しんでいます。さらに四球が少ないため、出塁率もなかなか伸びません。通算1500打席弱で打率.230、出塁率.273、OPS.634という成績で、2022年以降に1000打席以上を記録した打者の中で出塁率はワースト9位となっています。
一方で、守備と走塁にはまだ魅力があります。Thomasは2024年序盤に左ハムストリングを痛めて以降、スプリントスピードや守備指標がやや落ちていますが、それでも平均以上の中堅守備と走塁力を持つ選手です。Dodgersとしては、打撃面の修正がうまくいけば守れる外野手として価値を引き出せると判断したわけですね。
Diamondbacksはここ数年、ThomasとJake McCarthyの両方についてトレードを検討してきました。その2人がどちらも同地区の球団へ移ったのは興味深い流れです。McCarthyはオフにRockiesへ放出されており、今度はThomasがDodgersへ移ることになりました。現在のDiamondbacksでは、外野両翼をCorbin CarrollとLourdes Gurriel Jr.、中堅をWaldschmidtとJorge Barrosaが担っています。
今回の動きは、Dodgersが数百万ドルを投じて5番手外野手枠をSianiからThomasへ入れ替えたものと言えるでしょう。年俸負担に加えて贅沢税でも$1.5MM強の負担が発生しますが、Dodgersにとっては大きな問題ではありません。Thomasは少なくともあと2シーズン、年俸調停を通じて保有可能です。
またSianiもスピードと守備を武器にする中堅でした。オフにウェーバーを通じて複数球団を渡り歩き、Dodgersには2度クレームされていたんですよね。今季はずっとオプション降格中で、Triple-Aでは107打席で打率.225、OPS.658という内容でした。Sianiは今後5日以内にトレードされるか、再びウェーバーにかけられることになります。
一方の交換相手であるRequenaは、まだプロでの出場経験がない17歳です。身長190cm、体重104kgという大柄な右打者で、1月にベネズエラ出身のアマチュア選手として契約しました。Baseball AmericaのBen Badlerによると、粗削りなパワーとプラス評価の肩を持つ外野両翼タイプの選手みたいです。プロデビューはDominican Summer Leagueになる可能性が高そうです。

J.カバイェロがIL入り!代わりにA.ボルピが昇格!
Yankeesの内野手José Caballeroが、右手中指の骨折により10日間の故障者リストへ登録され、替わりに遊撃手Anthony VolpeがTriple-Aから昇格しました。監督のAaron Booneによると、Caballeroは最短期間で復帰できる可能性があるとのことで、戻ってきた際には再び正遊撃手を務める見込みだそうです。
当面の遊撃手にはMax Schuemannが入っていますが、Caballeroの離脱中はVolpeがレギュラーとしてそのポジションを担う見込みです。本来、これは今季開幕時に想定されていた形でした。Volpeは過去3年間Yankeesの正遊撃手を務めていましたが、昨年10月に肩を手術したため、今季開幕は故障者リストで迎える予定でした。その間の穴埋め役として、ユーティリティ起用が中心だったCaballeroを使う計画だったんですよね。
ところが、Caballeroの好調とVolpeの調整遅れによって、状況は変わりました。Caballeroは今季ここまで打率.259、4HR、OPS.720を記録し、守備でも高い評価を受けています。さらに13盗塁を決めるなど、走攻守でチームに貢献していました。そのためYankeesは、復帰途中のVolpeよりも好調なCaballeroを優先していたわけです。
Volpeは4月中旬からリハビリ出場を始めていましたが、野手のリハビリ期間は最大20日間に制限されています。その期限が約1週間前に到来した際、Yankeesは追加調整が必要と判断し、VolpeをTriple-Aへオプション降格させていました。しかし今週、Caballeroがスライディング時に指を負傷。その影響でVolpeが再びMLBへ戻ることになった形です。
今回の昇格は、Volpeにとって正遊撃手の座を取り戻す大きなチャンスになります。もっとも、近年のVolpeをめぐる評価にはやや不透明感も出ています。2023年に開幕ロースター入りしたVolpeは、その年21本塁打、24盗塁を記録し、守備でも優秀な評価を得ました。一方で打撃全体は粗く、打率.209、OPS.666にとどまっています。ただしBABIPが.259と低かったこともあり、まだ若く不運な面があったことも考えれば、今後の成長余地は十分にあると見られていました。
しかし、その期待はまだ現実のものになっていません。Volpeはここ2年通算の成績が打率.229、31HR、OPS.660にとどまっています。今年もマイナー18試合で打率.221、1HR、OPS.570という成績で、肩の手術明けで多少のサビつきは自然なことですが、低調な打撃傾向が続いている点は気がかりですね。
現在Yankeesは27勝16敗で、ア・リーグの多くの球団が勝率5割未満に沈む中、好位置につけています。そのため、数週間Volpeが苦しんでもすぐ大きな問題になる可能性は高くありません。ただし中長期的には、内野の構想に影響する可能性があります。球団有数の有望株であるGeorge Lombard Jr.はすでにTriple-Aへ到達しており、近いうちにMLB昇格を狙える立場です。Jazz Chisholm Jr.が今オフにFAとなる点も、無視できない要素でしょう。
また、今回の昇格はVolpe自身の将来的な年俸やFA時期にも影響する可能性があります。Volpeは今季開幕時点でちょうど3年のサービスタイムを持っていました。故障者リスト入りしている間もサービスタイムは加算されていましたが、オプション降格によってカウントが止まっていたんですよね。Volpeは現地5月3日にオプション降格され、経過したのは9日だけです。このまま今季終了までMLBに残れば4年到達は可能となります。一方で、再び降格して4年ラインを下回れば、FA取得は1年遅れることになります。

レイズのG.ラックス、肩を痛めてリハビリ中断!
Rays監督のKevin Cashによると、内野手のGavin Luxが左肩を痛めたためリハビリを中断するとのことです。今週後半に検査を受ける予定で、Cashは「当面の間は戦列を離れることになる」と説明しています。
LuxはまだRaysでのデビューを果たせていません。Raysはオフに、RedsからLuxを獲得して正二塁手として起用する方針でしたが、加入後は故障が続いています。スプリングトレーニング中に腹斜筋の違和感を訴え、3月中旬には右肩のインピンジメントも発症。さらに4月には左足首も痛めており、その影響でリハビリ出場が数週間止まっていました。
ここまでTriple-Aでは21試合に出場し打率.200、1HR、OPS.678。20四球を選ぶ一方で23三振も喫するなど実戦感覚をまだ取り戻している最中でした。Raysは今後、左肩の検査結果を待つことになります。ロースター枠が必要になれば、Luxを60日間の故障者リストへ移すことになるでしょう。
Lux本人にとっても特に痛いタイミングで、というのも今オフには自身初のFAを迎える予定なんですよね。ここ2年間はリーグ平均程度の成績にとどまり、Raysにとっても獲得時点では再生候補という位置づけでした。昨季のRedsでは二塁よりもDHや左翼での起用が多かったものの、Raysは再び二遊間でチャンスを与える考えだったわけです。
現在Raysは二塁でRichie PalaciosとBen Williamsonのプラトーンを採用しています。2人とも打撃面ではリーグ平均級の働きを見せており、合計190打席で本塁打は1本ながら、出塁率.354を記録しています。これはRaysがLuxに期待していた役割に近く、チーム全体の攻撃スタイルも表しているんですよね。
Raysは本塁打数でMLB25位、長打率で22位と長打力には欠けますが、出塁率はリーグ8位で、得点数も14位につけています。投手陣の好投と得点圏での勝負強さもあり、28勝13敗と快進撃を続けています。ア・リーグ首位に立ち、MLB全体でもBravesに次ぐ成績です。
今後このペースを維持する可能性は高くないとしても、リーグでは非常に有利な位置にいます。地区2位のYankeesに2ゲーム差、ワイルドカード圏外でトップのRangersに対しては8.5ゲーム差をつけているんですよね。そのため、トレード期限では買い手として動く可能性が高く、補強ポイントはセンターと二遊間が有力でしょう。レンタル選手ではLuis Arraezが市場上位の二塁手候補となり、Nationalsが放出を検討するなら、CJ Abramsは最上級のターゲットになるはずです。

MLBと選手会が正式な労使交渉会議を開催!
ESPNのJeff PassanとThe AthleticのEvan Drellichによると、MLBとMLB選手会が本日、New Yorkで今年最初の正式な労使交渉会議を開いたとのことです。
両記者によれば、現時点で具体的な進展はほとんどなく、今回は双方が基本的な立場を説明する場にとどまり、正式な提案は今後の交渉で示される見込みとのことです。現在の労使協定(CBA)は12月1日に期限切れを迎えます。早い時期から交渉を始めること自体は珍しくありませんが、Drellichによれば前回よりはやや遅いスタートとなっているようです。
今回の交渉が注目されるのは、前回交渉での出来事と、その後のMLBを取り巻く環境変化が関係しているためです。前回のCBAが失効した際、リーグ側はただちにロックアウトを実施しました。これは1994〜95年のストライキ以来、MLB初の出来事だったんですよね。ロックアウト中は選手の移籍も凍結され、翌年の3月10日まで続いたんですよね。
ここ数年のMLB経済には、明るさと不安が同時に存在しています。ピッチクロック導入による試合時間短縮や、大谷翔平のような国際的スターの存在もあり、リーグ人気そのものは上昇傾向です。MLBは視聴率や観客動員の増加をたびたび発表しており、昨年のWorld Series第7戦が1991年以来最多視聴のMLB中継となったことは象徴的でしょう。
一方で、その恩恵を全ての球団が同じように受けているわけではありません。ケーブルテレビモデルの崩壊により、地域スポーツネットワーク収入への依存度が高かった球団は大きな影響を受けています。放映権管理をリーグ側に委ねている球団がある一方、大市場球団の中には今も巨額の放映権収入を得ているところもあるわけです。収益分配制度は存在しますが、支出格差は非常に大きいままなんですよね。
この状況を受け、リーグ側はサラリーキャップとサラリーフロアの導入を求めると見られています。MLBは過去にも同様の制度を目指しており、特に1994年の交渉は有名です。しかしその結果、ストライキとWorld Series中止を招き、最終的にキャップ制度は導入されませんでした。
選手会は長年、選手の収入機会を制限するサラリーキャップに強く反対してきました。その姿勢は、最近の指導部交代後も変わっていません。専務理事のTony Clarkは2月、複数のスキャンダル問題を受けて退任し、副専務理事だったBruce Meyerが暫定専務理事に選ばれています。
ただ、現状の解決策について、オーナー側と選手側の考えは大きく異なります。さらにオーナー同士の利害も一致していないと見られているんですよね。小市場球団はキャップ制度に魅力を感じる一方、高額なフロア導入には不安を抱くかもしれません。その場合さらなる収益分配強化を求めるはずですが、大市場球団がそれに前向きとは限りません。
業界内では、今回も厳しい交渉になるとの見方が支配的です。前回のロックアウトは開幕直前まで長引き、今回も同じようなにらみ合いが起こる可能性があります。コミッショナーのRob Manfredは以前からロックアウトを比較的肯定的に捉える発言をしており、当時まだ選手会を率いていたClarkも「現在のCBA終了後にも再びロックアウトが起こると予想している」と語っていました。
仮に12月にロックアウトが発生した場合、焦点は再び開幕前に決着できるのか、それとも2027年シーズンの試合消化に影響が出るほど長引くのか、という点になります。
もっとも、楽観材料が全くないわけではありません。リーグがキャップ制度導入を目指しているとしても、そのために試合中止へ踏み込むほど強硬な姿勢を取るとは限りません。試合が中止されれば、広がっているファン人気に大きな悪影響を与える可能性がありますからね。さらに、多くの放映権契約は2028年終了予定で、Manfredやリーグ側は2029年に向けて大型契約をまとめたい考えです。Manfred自身も2029年1月、70歳で任期満了により退任する予定であり、試合を中止させたという汚点を残して退きたくはないでしょう。
今後の具体的な交渉日程は不透明です。Drellichによれば、前回は選手会が5月に最初の経済提案を行い、リーグ側は8月に対案を示しました。今回も夏場にかけて交渉が続く見込みですが、詳細な日程は公表されていません。

その他のニュース2件
Brewersの外野手Christian Yelichは左鼠径部の張りで約1か月離脱していましたが、この度復帰し、これに伴ってTyler BlackがTriple-Aへ降格しました。Yelichは離脱前まで打率.314、1HR、OPS.826を記録しており、全盛期ほどの圧倒的な存在ではないとはいえ、今もリーグ有数の打者の一人です。昨季も29本塁打を放っており、まだまだパワーは健在ですね。一方でYelich不在の間もBrewers打線は得点力を大きく落とさず、BlackやGary SánchezがDHを務めていました。ただBlackは一塁と外野両翼以外で使いにくく、Andrew Vaughn、Jake Bauers、William Contrerasらもいるため、ポジションがかなり混み合っていたんですよね。それに加えてBlackはオプションが残り1年のため、この夏にはトレード候補とも見られています。なお投手のQuinn Priesterは神経系の問題で故障者リストに入っていますが、現地土曜日にリハビリ登板を再開予定で、6月上旬の復帰を目指しているとのことです。また外野手のBrandon Lockridgeも膝の裂傷から回復中で、骨折は免れたため数週間後の復帰が見込まれています。

Bravesの正捕手Sean Murphyが左手中指の骨折により10日間の故障者リストへ登録されました。少なくとも8週間は離脱する見込みとのことです。負傷の原因は現地日曜日のDodgers戦にて、キム・ヘソンのスイングがMurphyのミットに当たった打撃妨害の場面と見られています。当初は軽傷と考えられていましたが、その後に骨折が判明したようです。Murphyは近年故障が続いており、ここ2年間はいずれも95試合未満の出場にとどまり、昨年9月には股関節手術も受けていました。リハビリを終えて復帰したばかりでしたが、わずか4試合で再び戦列を離れることになります。代役としてBravesは37歳の守備型捕手Sandy Leónとメジャー契約を結び、Murphy離脱中は正捕手Drake Baldwinの控えとして起用される見込みです。さらに外野手のJosé Azócarも昇格しました。キム・ハソンが復帰しましたが、その一方でEli Whiteが脳震盪の故障者リストへ入ったことで外野の枚数が不足していたんですよね。Azócarは打撃力こそ限られますが、守備走塁に優れており、Ronald Acuña Jr.不在の外野陣を支える役割を担います。


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