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この記事でわかること
・Max Friedの左肘違和感による緊急降板と、Yankees先発ローテーションへの影響
・Francisco Alvarezの半月板断裂、Mets打線に広がる故障者続出の深刻さ
・Chris PaddackのReds加入、Angelsの投手運用、その他MLB各球団の最新動向
ヤンキース先発、M.フリードが肘の違和感で途中降板!
Yankeesの先発Max Friedが、本日の試合で左肘の違和感を訴え、3回終了時点で緊急降板しました。球団はその後、降板理由を左肘後方部の痛みと発表しており、明日にも精密検査を受ける予定とのことです。試合後、本人はMLB.comのBryan Hochら記者陣に対し、「短期的な問題だと思う。次回登板できることを願っている」と説明しており、長期離脱につながる故障なのかは現時点で分かっていません。
ただ、Friedには腕や肘の故障歴があります。マイナー時代の2014年にトミー・ジョン手術を受け、2023年には前腕部の張りで約3か月離脱、さらに2024年にも前腕の神経炎で故障者リスト入りしているんですよね。それでも昨オフ、YankeesはFriedと8年総額$218MMの大型契約を結びました。これは左腕投手として史上最大の保証額でしたが、ここまでの働きは期待通りです。昨年はGerrit Coleがトミー・ジョン手術で全休する中、Friedがエース役を担い、32先発で防御率2.86を記録し、Cy Young賞投票でも4位に入っていたんですよね。
今季のYankees先発陣もMLB屈指の安定感を見せており、現在の先発防御率3.14はRays、Bravesに次ぐMLB全体3位です。一方で、Carlos Rodónが故障者リストから復帰し、Coleも復帰に近づいていたため、ローテーション再編が注目されていました。Fried、Rodón、Cam Schlittler、Ryan Weathers、Will Warrenの5人にColeが加わった場合、誰を外すのかが難題になると見られていましたが、もしFriedが故障者リスト入りすれば、その問題は一時的に解消されることになります。
ただ、Coleはまだリハビリ登板の段階で、球団はあと1〜2回の調整登板を予定しており、すぐに復帰できる可能性が高いわけではありません。そのためFriedが離脱する場合、短期的には別の代役先発が必要になります。Luis Gilは肩の炎症で3週間投球停止となっており、即時の昇格は困難です。40人枠内ではElmer RodríguezやBrendan Beckが候補となり、Paul BlackburnやRyan Yarbroughを組み合わせて乗り切ることも考えられますね。
もっともYankeesにとって最大の不安は、ポストシーズンを見据えた影響でしょう。本来はCole、Fried、Rodón、Schlittlerという強力な先発陣を組む構想だっただけに、検査結果次第では今季全体の戦い方にも大きく響く可能性があります。

メッツ正捕手、F.アルバレスが半月板の断裂でIL入り!
Metsの正捕手Francisco Alvarezが、右膝半月板の断裂により10日間の故障者リストに入り、代わりに捕手のHayden SengerがTriple-Aから昇格しています。Alvarezは昨日の試合中に右膝の違和感を訴えて途中交代し、MRI検査を受けた結果、半月板の断裂が判明しました。またAlvarezは今後手術を受ける予定だそうで、正式な復帰時期は手術後に決まる見込みですが、現時点では6〜8週間程度の離脱が想定されています。
低迷するMetsにとって、今回の離脱は痛いニュースです。チームはここまで17勝25敗で、MLB全体でもワースト4位の成績に沈んでいます。すでにJorge Polanco、Francisco Lindor、Luis Robert Jr.、Ronny Mauricio、A.J. Minter、千賀滉大ら主力が故障者リスト入りしており、そこに正捕手のAlvarezまで加わる形になりました。特にLindor、Polanco、Robert、Alvarezは打線復活の中心として期待されていましたが、相次ぐ故障もあり、今季のMets打線は深刻な得点力不足に苦しんでいます。
24歳のAlvarezは今季がMLB5年目で、ここまで打率.241、4HR、OPS.710を記録。wRC+は105とリーグ平均を上回り、捕手としては十分に価値のある打撃を見せていました。
かつてMLB屈指の有望株と評価されたAlvarezは、2023年に25本塁打を放つなど、長打力で存在感を示してきた捕手です。一方で近年は健康面の不安も目立ち、昨年も打率.256、11HR、OPS.787と好成績を残しながら、故障の影響でわずか76試合の出場にとどまりました。これまでにも両親指の靭帯損傷や左手有鉤骨の骨折を経験しているんですよね。
Alvarez離脱中はLuis TorrensとSengerが捕手を務める見込みですが、攻撃面の穴は小さくありません。Torrensは守備面に定評がある一方、通算打撃成績は打率.226、OPS.638にとどまっています。SengerもMLB通算78打席で打率.181と苦戦しており、マイナーでも大きな打撃実績はありません。

レッズ、先発C.パダックとメジャー契約!
Redsがベテラン右腕Chris Paddackとメジャー契約を結び、Paddackは現地17日の試合で早速先発登板するそうです。この動きに伴い、肩を痛めたRhett Lowderが15日間の故障者リスト入りし、さらに40人枠を空けるため、捕手P.J. HigginsがDFAとなりました。
Paddackは今季開幕前にMarlinsと1年$4MMで契約しましたが、序盤から結果を残せず、今週DFAを経てFAとなっていました。今季は7試合に登板し、うち6先発で防御率7.63。30回2/3を投げたものの、5回以上を投げ切ったのは1度だけだったんですよね。奪三振率は18.5%と低く、空振りを奪う力に不安を残す一方、与四球率は6.8%と安定しています。
現在30歳のPaddackは、かつてMLB屈指の有望株として期待された投手です。Padres時代の2019年には140回2/3を投げ、防御率3.33を記録。本来なら新人王候補級の内容でしたが、この年はPete Alonsoの53本塁打、Michael Sorokaの好投、Fernando Tatis Jr.らの台頭もあり、大きな注目を集められませんでした。
その後は故障に悩まされ続けています。2021年に肘の靭帯を痛め、翌22年にはトミー・ジョン手術を受けました。昨年も前腕部の張りで離脱しており、2019年以降の通算防御率は5.23まで悪化しているんですよね。制球力は大きく崩れていないものの、近年は三振を奪えず、本塁打を許しやすい点が課題です。さらにRedsの本拠地Great American Ball Parkは打者有利の球場として知られ、投手に厳しい環境ですから尚更懸念材料です。
それでもRedsには、今すぐ先発投手を補う必要性があります。Hunter Greeneは3月に肘の手術を受けてオールスター前後での復帰が予定されており、Brandon Williamsonも肩の問題で60日間の故障者リストに入っています。さらにLowderの離脱に加えて、Brady Singerも昨日の試合で右足に打球を受けて途中降板したため、先発陣の不安は大きくなりました。
Triple-Aの控え候補も十分な結果を残せていないため、Paddack獲得は現実的な補強と言えるでしょう。なおRedsが負担するのはメジャー登録中の最低年俸分だけで、残りの大半はMarlinsが支払うことになっています。

エンゼルス情報!投手の状態と内野手の外野練習!
Angelsは本日、ベテラン左腕のDrew Pomeranzを左肘の炎症により15日間の故障者リストに登録しました。代わりに、右腕のRyan Johnsonが復帰しています。
球団はPomeranzの詳しい状態を明かしていませんが、これまでの故障歴を考えると不安は小さくありません。Pomeranzは度重なる腕の故障と複数回の手術に苦しみ、2022年から24年までMLBで登板できませんでした。それでも昨年はCubsで復活し、49回2/3を投げて防御率2.17を記録。その好投を受け、Angelsは今季開幕前に1年$4MMで契約を結んだのです。
しかし今季は、ここまで15回を投げて防御率7.20と苦戦しています。奪三振率は16.7%、与四球率は11.4%で、昨年の数字からどちらも大きく悪化しています。期待の高さが窺える補強でしたが、現時点では思うような結果につながっていません。
代わって今回復帰したJohnsonも、かなり異例のキャリアを歩んでいる投手です。2024年ドラフト全体74位で指名されながら、その年はマイナーで登板せず、それにもかかわらず昨年は開幕ロースター入りしたんですよね。ただ、リリーフでは結果を残せず、その後はHigh-Aまで降格。それでもHigh-Aでは先発として好投し、今季は再び開幕ローテーションに入りました。
ところが今季初登板後にウイルス感染で故障者リスト入りし、5月に入ってからようやくリハビリ登板を開始。数回の登板を経たうえで、今回はブルペン要員としてMLBに戻る見込みです。監督のKurt Suzukiは「先発もリリーフもできる投手。必要に応じてどちらでも使えるのがJohnsonの強み」と話していますが、外部から見るとAngelsの投手運用はかなり独特なんですよね。
実際、Alek Manoahも指の故障から復帰する際、リハビリ登板は1試合だけでした。メジャー復帰後も1回の救援登板を挟み、次はロングリリーフで5回を投げるという変則的な起用が続いています。さらに肩の炎症から復帰を目指すGrayson Rodriguezも、リハビリ登板はまだ2試合だけですが、メジャー復帰が近い状況とのことです。
全体を通して、かなり急ぎ気味の調整に見えますよね。ただAngelsは現在16勝28敗でMLB最低勝率に沈んでおり、現状を変えるためにあらゆる手段を試していると見ることもできそうです。先発陣では菊池雄星も故障者リスト入りしており、今後数週間は投球停止の予定です。現在はJosé Sorianoがローテーションの柱となり、その後ろをReid Detmers、Jack Kochanowicz、Walbert Ureñaらが支えています。残る1枠をManoah、Rodriguez、Johnsonらで回す可能性もありそうです。
一方、野手陣でも動きがありました。Vaughn Grissomが左翼の守備練習を始め、Oswald Perazaも近く外野練習に加わる見込みとのことです。これは不振が続くJosh Loweへの対応策と見られます。Loweは今季、打率.160、4HR、OPS.494と低迷し、三振率29.6%、四球率5.2%も昨年からかなり悪化しているんですよね。
対照的にGrissomは打率.271、2HR、OPS.789。Perazaも打率.280、5HR、OPS.833と好調です。現在の内野はZach Neto、Yoán Moncada、Nolan Schanuelらで埋まっているため、2人は二塁中心の起用となっていますが、もし外野にも対応できるようになれば、打線編成の選択肢は大きく広がりそうですね。

その他のニュース4件
Padresの先発Lucas Giolitoが今週末にも移籍後初登板を迎える見込みです。Giolitoはオフの契約先探しが長引き、先月ようやくPadresと1年契約を結びました。基本年俸は$3MMで、出来高を含めると最大$8MMとなる契約です。スプリングトレーニングを欠場したため調整に時間はかかりましたが、マイナー4試合で17回を投げて防御率4.76を記録し、直近ではDouble-Aのチーム相手に6回1失点と状態を上げています。ただ、昇格にはロースター整理が必要です。先発5人はいずれもオプションがなく、ブルペンにも動かしやすい投手が少ない中、最も立場が危ういのはMatt Waldronです。故障明けとなった今季は5登板で防御率9.28と苦しんでいるんですよね。Michael KingやRandy Vásquezは先発に残る見込みで、Walker Buehlerや松井裕樹らも外しにくく、Waldronが押し出される可能性が高そうです。

Marlinsは、有望株左腕のRobby Snellingを左肘靭帯の捻挫により15日間の故障者リストへ登録し、代わりにPete Fairbanksを復帰させました。Snellingは前回登板でMLBデビューを果たしたばかりで、Chris PaddackのDFA後に空いたローテーション枠を担う期待株でしたが、ブルペン投球後に違和感を訴えていたとのことです。肘の靭帯損傷はトミー・ジョン手術につながる例も多く、今後さらに検査を受ける予定となっています。仮に手術となれば、今季の大半と来季の一部を失う可能性もあり、Marlinsにとって大きな痛手となるでしょう。特にMarlinsは先発投手の育成力を生かしてトレード戦略を組み立ててきただけに、Snellingの離脱は今後の補強方針にも影響しかねません。なお代役にはBraxton Garrettが昇格予定です。Garrettは2023年に159回2/3を投げて防御率3.66を記録した実績があり、故障続きで昨年は全休しましたが、今季はTriple-Aで防御率2.30と好投を見せているんですよね。さらにもう一人の有望株Thomas Whiteの昇格のチャンスも広がりそうです。

Oriolesの外野手Dylan Beaversが腹斜筋を痛めて10日間の故障者リストへ登録され、代わりにMaverick HandleyがDouble-Aから昇格しました。監督のCraig Albernazによると低グレードの損傷とのことで、現時点で深刻な懸念はなさそうです。Beaversは昨年、137打席で打率.227、4HR、OPS.775と好成績を残しましたが、今季は119打席で打率.243、2HR、OPS.700と平均的な内容にとどまっています。三振率は改善した一方で、四球率が大きく下がっている点は気がかりですね。一方で昇格したHandleyは、昨季MLBで苦戦したものの、今季はTriple-Aで状態を上げています。OriolesはRyan Mountcastle、Jackson Holliday、Jordan Westburg、Heston Kjerstadら野手に加え、投手8人も故障者リスト入りしており、離脱者が続出しています。Beavers不在の間は、好調なLeody Taverasが中堅に入り、右翼は不振ながら直近3試合で先発しているTyler O’Neillが担う見込みです。

Jason HeywardがDodgersのフロント部門で特別補佐に就任すると報じられました。White SoxやCubsとも役職について協議していたそうですが、最終的にはDodgersを選んだ形です。Heywardは2007年にBravesに入団し、2010年には球界屈指の有望株としてMLBデビューしました。優れた守備力と走力、そして打撃を武器にスター選手へ成長し、2015年オフにはCubsと8年$184MMの契約を結びました。加入後は打撃成績を落としましたが、高い守備力とリーダーシップは健在で、2016年にはチームの108年ぶりのワールドシリーズ優勝にも貢献したんですよね。その後2023年にDodgersが再生へ導きましたがそれ以降は再び苦しみ、Astros、Padresを経て昨年限りで現役を引退していました。今後はDodgersで若手育成や組織運営を支える役割を担います。


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